耳で描くアーティスト

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今から3年前、イギリスデボン州にあるダーティントン芸術大学の生徒であったNeil Harbissonはそれまで先天性色覚異常(色盲)によって世界が白黒にしか見えなかった。彼が描く絵も全てそれまで白黒でしか描くことができなかった。ただ、ある人物に出会うまでは。

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彼は、大学で講義をしていた人工頭脳研究の専門家Adam Montandonと出会ってから運命が変わったといっても良い。MontandonがNeilの症状について話を聞くとMontandonは彼の問題をどうにか解決できないかと思い、さまざまな難題に挑戦したという。そうしてMontandonはある一つのものを作り上げた。それがNeilの世界観を変えたEyeborgというシステムであった。Eyeborgはいわゆるデジタルカメラであるが、普通のデジタルカメラではない。それをヘッドセットのような形であり頭に被ることによって、目線に映し出される色が音となってNeilへと伝わる。最初はたったの6音しか(これでも充分凄い事であるが)聞かせることができなかったが今では360音もの色を聞かせることが可能になった。さらに大きさもMP3プレイヤーと同程度であり、頭へ被る際の重さの負担も軽減されている。
ここで一つの疑問が投げかけられる。360もの音をどうしてNeilは聞き分けることができるのか。それは愚問に過ぎなかった。彼の母親は音楽のアーティストであり、彼も幼少のころから音楽と慣れ親しんできておりピアノを弾くことができる。そのため彼は音を聞き分けることが可能であったのだ。このことについてNeilは、
「Eyeborgから発せられる音はピアノの楽譜のようなものです。それはまるで私がピアノで創作している様な風にも感じられます。」
と話す。

Neilは日常的にEyeborgをつけているが、唯一困った点を上げるとするのなら信号だという。Eyeborgは目の前の色を音で発する。しかし信号の色を識別するには信号はあまりにも遠く識別ができない。そのため車が運転できない。他の生活においてはほとんど支障はないという。
Neilは4月にロンドンで展示会を行う予定である。彼はバルセロナでも展示会を行った際、
「私にとって絵を描くというのはキャンパスで音楽を作曲しているかのようです。」
と語った。
Montandonは、色覚異常で苦しむ人々がアーティストであるにせよないにせよEyeborgの技術を用いて欲しいと語った。

Neil Harbisson (公式サイト)
Colour-blind artist learns to paint by hearing

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耳で描くアーティスト への2件のコメント

  1. より:

    かっこいい人だね

  2. あゆみ より:

    ↑確かにWキュンとしちゃいます♪

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